医療器械について

ストライカー

電気で駆動するドリルの一種です。主に整形外科領域で活躍しています。
サジタルソーというアタッチメントを取り付けて骨を切ったり、ドリル/ドライバーを用いて骨にドリルビットと呼ばれる穴を開けたりするときに使用します。
ドリルにより手術時間の大幅な短縮が可能となりました。

SYNTHES 骨外科セット

骨折動物の整形外科を行うときに使います。骨折部位にプレートと呼ばれるチタン合金の板をあて、スト ライカーでドリルビットを作り、骨ビスをねじ込んで骨折修復を行うためのセットです。動物の大きさや骨折部位の位置などにより選べるよう、各種のインプラント材料が全てセットでそろっています。
スイス・ロバート・マチス社製で、それぞれ小さな骨用、大きな骨用のセットをそろえてあります。

アイメックスSKシステム

創外固定と呼ばれる骨折修復手術に用いられます。骨折した骨に皮膚外側からピンを複数挿入し、クランプと呼ばれる連結器でピン同士を体外で連結して、固定します。旧アイメックスKEシステムに比較し、格段に連結器の操作性が向上しています。

手術用顕微鏡

外科手術の際に手術部位を拡大して、小さな部位のデリケートな手術をやりやすくするための顕微鏡です。

主に眼科領域の手術や血管縫合、脊髄の神経外科手術などに利用されます。

オメダ社製 ガス麻酔器

[気化器]
吸入麻酔ガスと酸素ガスを混合して、患者さんに麻酔を実施するための中心的役割をします。麻酔濃度
を自由自在に調節できるため、安全性の面で非常に信頼性があります。オメダ社は麻酔器の世界のトップメーカーです。2年に一回メーカーによる、総点検が行われます。

[麻酔ガスモニター]
吸入麻酔ガス濃度をモニターし、動物に安全な麻酔を行うための必須の装置です。この装置では、吸入麻酔ガス濃度をモニターするだけでなく、動物の血中の酸素濃度や、排泄されている二酸化炭素濃度心拍数等が自動的にモニターされ、患者さんの状態を全ての手術スタッフが、同時に見ることが出来ます。

[人工呼吸器]
麻酔中の患者さんの呼吸調節に使用します。また肺や心臓など胸部手術には絶対的に必要な器械です。1分あたりの呼吸回数や、1回あたりの換気呼吸量、圧力などをすべて調節して人工呼吸させることが可能です。ガス麻酔器と連動して使用します。

電気メス

外科手術の際に一般的に使用される装置です。高周波の電流を用いて組織を切開したり、出血を凝固させて止血したりします。

手術時間の短縮に大変役立ちます。

超音波メス

ハーモニック・スカルペルといいます。
超音波により手術を行う最先端の医療器械です。

超音波メスにより、組織を切開したり、直径2mm以下の血管であれば切開と同時に止血も行ってしまうことができます。

肝臓の部分切除や腫瘍外科手術に大きな威力を発揮しています。
レーザーメスよりも様々な点で優れているため、重宝しています。

内視鏡

世界最高の内視鏡メーカーである、オリンパス社製の小動物用内視鏡設備です。この内視鏡は、古いタイプの光ファイバー内視鏡と異なり、テレビカメラとビデオから構成されております。

そのため検査に関わるにすべてのスタッフが映像を同時に見ることが出来るため、バイオプシー検査や手術操作などに大きなメリットがあります。

超音波診断装置

最新の超音波診断装置を使用しています。この装置は血液の流れや分布の状態を、リアルタイムでカラー表示できる特徴があります。心臓や血管内部の血液流を直接観察したり、血流速度や血圧をコンピューターが計算してくれるため、非常に有効な診断ツールとなります。

また心臓エコー検査では、心臓から送り出している血液量や、心臓の筋肉の壁の厚みや機能、弁膜の運動や閉鎖機能状態を計測できます。もちろん肝臓や脾臓、腎臓などの腹腔臓器の病変検出にも、非常に大きな威力を発揮します。そして腹腔内臓器のバイオプシー検査〔臓器や組織の一部を針により直接採取する検査〕には必須の装置です。

インキュベーター

新生児用の保育器(アトム社製)を小動物医療に応用しています。温度や湿度管理はもちろんのこと、酸素を加えて使用したり、血圧や血中酸素分圧をモニターしたりと、様々な環境調節および生体モニタリングが可能です。

主に重症な、集中管理を必要とする動物に使用されます。

ICU用酸素ケージ

小動物専用に開発された、小型のICU用酸素ケージです。急性肺水腫の患者さんや、救急の酸素投与を必要とする患者さん、長時間の手術後の回復などに用いられます。急速に、高濃度の酸素供給が可能です。この器械は、面白いことにエアコンの代表的なメーカーである、ダイキン工業が開発し、ベストセラーとなったいきさつがあります。

エックス線設備

最新のエックス線設備を有しています。FCR(エフ・シー・アール)と呼ばれる装置で、撮影条件設定から画像処理、画像ファイルまでの全てを高性能コンピューター処理により行っています。したがって、従来型のフィルム現像されたエックス線写真を見ながら、ということはありません。患者さんのエックス線画像を説明するときは、コンピューターディスプレー画面を上見ながら、となります。このシステムによりたとえば小さな小鳥のエックス線画像を、人間の顔くらいの大きさに拡大して観察することや、画像の明るさを調節して、より細かい鮮明な画像に再構成することも瞬時に可能です。これにより正確なエックス線読映と、診断に大きく貢献してくれます。またご希望があれば美しいフィルムコピーも同時に作成可能ですので、自宅にエックス線写真フィルムをお持ち帰りになりたい場合は遠慮なくお知らせ下さい。

心電図検査

日本光電社製の心電計を使用しております。
得られた心電図は内臓のコンピューターソフトにより、自動解析処理されます。

しかしながら、コンピューターは実際の臨床を知っているわけではないので、これはあくまでも参考データと考えており、実際には獣医師が心電図の判読を行います。

血液検査機器各種

[全自動血球計算機]
白血球数や赤血球数、血小板数を自動的にカウントしてくれる器械です。

[ドライケム]
GPT,GOT,ALPなど人でもおなじみの検査、約20項目を行います。

[電解質分析器]
血中のナトリウム、クロール、カリウムを全自動で分析します。

[アイスタット]
血液中の酸素、重炭酸、血液PHなど、血液ガスと呼ばれる項目を検査できます。

サクション

大型の吸引機で、手術中に胸や、おなかの中を生理食塩液などで洗浄する際に使用します。

大量の洗浄液を効率よく吸引、排除することが出来るため、手術時間の短縮に役立ちます。

マイクロチップ・リーダー

マイクロチップとは、個体識別に用いられる動物用管理医療機器のことです。
超小型のICチップを皮下に埋め込み、専用読取機で個体を識別します。

マイクロチップ・リーダーは埋め込まれたチップ内の情報を呼び出すための器械です。動物の埋め込み部分にかざすだけで、個体情報がこの器械に表示できます。

Page Top