避妊手術

避妊手術について

近年繁殖不能化や各種疾患予防を目的とした避妊手術は、最初の発情出血以前での実施が推奨されています。アメリカ マサーチューセッツ州の動物愛護協会付属動物病院で実施された、約2万頭の
早期避妊/去勢手術(生後2か月~5か月の仔犬)のデータにより様々な点が明らかになりました。
なんと雌犬での乳腺腫瘍の発生率が0%であった事、手術による発育への影響は見られなかった事、
行動学上の社会化に有利であった事、小さな子猫、仔犬時点での手術であるため、その記憶がトラウマとして残らない事などです。

こうした事実から、アメリカでは1999年以降、多くの大学病院や、個人の開業病院などで、積極的にこの時期(生後2か月~5か月)での手術が広く行われるようになりました。またその後の研究において動物の寿命延長を得られることが判明しています。従いましてピア動物医療センターでもこの時期
ないし初回発情前での手術をお薦めしております。

避妊手術の実際

全身麻酔にて実施します。現在最も安全とされる吸入麻酔薬で手術中に吸入濃度調節を行いながら手術を実施します。そのため手術終了から約5分で動物は覚醒します。開腹手術により卵巣と子宮の全摘出を行います。麻酔覚醒直前に強力な鎮痛剤投与を併用いたしますので、術後はほとんど痛みを感じません。入院期間は犬、猫共に1泊2日での入院管理となります。

避妊手術のご予約

手術は全身麻酔下で行いますので、安全に麻酔を実施できるかの検査が予め必要となります。
一般身体検査と血液検査を行い、薬剤代謝に必要な腎臓や肝機能、酸素運搬能力などを検査致します。
また5歳を超える個体については、エックス線検査や心電図検査を同時に行います。術前検査につきましては予約は必要ありません。

これら検査で特に異常が無ければ、手術の日程を決定いたします。飼い主様のご都合の良い日付をお教え下さい。他の患者様の予約状況と照らし合わせ、手術予定日の予約調整をいたします。
また犬では、発情出血が見られている場合、避妊手術は実施せず、発情終了後1ないし2か月経過してからの避妊手術実施をお勧めいたします。

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